ジャパンウィンターリーグ取材レポート

2025年11月22日から12月18日まで、沖縄・コザしんきんスタジアムおよび嘉手納スタジアムで開催されたJAPAN WINTER LEAGUE 2025。SPORTISTは会場を訪れ、グラウンドで躍動する選手たちの姿を取材した。熱量あふれるリーグの空気感とともに、参加選手たちの声を伝える。
参加選手は150名、国内外のさまざまな野球選手が参加
JAPAN WINTER LEAGUEは、日本で初めて本格的に運営されている「すべての野球人のための」ウィンターリーグ。プロ・アマ問わず誰もが挑戦できる場として運営されている。本リーグでの活躍をきっかけに新たなチームでプレーする道が開ける可能性を得られることはもちろん、同時にプロ以外の多種多様な野球人としての生き方を見出し、将来の選択肢を広げることができる場としても注目を集めている。
2025年のJAPAN WINTER LEAGUEは11月22日から12月18日まで開催。前期は11月22日から12月4日、後期は12月6日から12月18日までの期間、コザしんきんスタジアムと嘉手納スタジアムにて行われた。
参加者のおよそ6割が来シーズンの所属先未定という状況の中、次のチームを求めて臨む選手、個人のスキルアップを目的に参加する選手など、立場や背景はさまざま。自身の将来を見据えながら、ひたむきに野球に向き合う選手達の姿が印象的だった。
参加選手が語るジャパンウインターリーグの印象
参加者の中には、NPBや実業団でのプレー経験を持つ選手も名を連ねている。今回はその中から、岡田明丈投手(元・広島東洋カープ / 現・蔚山ホエールズ)と三池裕翔内野手(現・茨城アストロプラネッツ)の2名に話を聞くことができた。

岡田明丈投手
東京都出身。2016年に広島東洋カープへ入団。以降9年間にわたってプロの舞台でプレーを続けてきた。2024年に戦力外通告を受けたのちも現役続行を選択、2025年12月まで明治安田野球部、今季より韓国・蔚山ホエールズに所属。
昨年、9年間プレーした広島東洋カープを戦力外となったタイミングで、知人がJAPAN WINTER LEAGUEに参加するという話を聞きました。その時はすでに明治安田野球部でプレーすることが決まっていたため参加を見送りましたが、今年改めて挑戦してみたいと思い、参加を決めました。
今シーズン終盤は試合に出場する機会が少なかったこともあり、もう少し実戦経験を積みたいという思いがありました。また、JAPAN WINTER LEAGUEには多くのスカウトが来ると聞いたことも、参加を後押しする理由になりました。
実際に参加してみると、野球が本当に好きで向上心を持った人ばかりが集まっていると感じます。失敗が許される実戦の場でありながら勝敗も求められるという簡単ではない環境ですが、それが面白い。海外でのプレーを目指す選手も多く、刺激を多く受けられる場所です。
プロの世界では、結果さえ出していれば求められる目標値がさほど明確でないこともありますが、JAPAN WINTER LEAGUEでは目標がはっきりしています。ある一点を目指しながら試合に出ること、いろいろな人と言葉を交わす機会が多いことは、このリーグならではの特色だと思います。参加期間は残り1週間ほどですが、僕個人としてはスピードアップを目標にしつつ、チーム全体でレベルアップし、それぞれが何かひとつでも良い結果を持ち帰れたらと思っています。
昨年から、自身の今後について本当にたくさん考えました。その日々の中で、応援してくださっている方からもらった「150キロを投げられるうちは、辞めないほうがいいんじゃないか。この年齢でもその数字が出るなら、野球が嫌いなわけじゃないでしょう」という言葉が、大きな支えになりました。その言葉で、もう少し続けてみようと思えたんです。
続けるなら、数字を上げていくしかない。昨年末は152キロだった球速を、今日は154キロで投げることができました。JAPAN WINTER LEAGUEに来て今年のMAX記録を更新できたことで、トライし続ければ結果に繋がるという実感を得ています。
三池裕翔内野手
福岡県久留米市出身。163cmと小柄な体躯ながら工学院大学硬式野球部では3年次に盗塁王、4年次には最高出塁率・最多打点の二冠を達成するなど確かな実績を残してきた。2025年より茨城アストロプラネッツに所属。
今シーズン自身がどれだけレベルアップできるか、そして来シーズンどれだけ活躍できるかでNPBのドラフトが見えてくる。自分ではそう思っています。だからこのオフシーズンは、守備もバッティングも走塁も、すべてを命懸けで成長させなければなりません。その成長の場所として、JAPAN WINTER LEAGUEを選びました。
JAPAN WINTER LEAGUEはNPBや社会人など高いレベルでプレーしてきた方も多く集まっていて、この環境自体が大きな刺激になっています。実際に、いろいろな方からアドバイスをいただきながら、自分自身も少しずつ成長できているのかなと感じています。
参加したばかりの時は、昨シーズンあまり調子が良くなかったこともあり手探りな部分もありましたが、プレーを重ねる中で自分の武器は守備と走塁だということがはっきりしてきました。そのことはJAPAN WINTER LEAGUEでもしっかりアピールできていると思いますし、周りの方々のサポートのおかげでストレスなく野球に集中できているこの環境も本当にありがたいと思っています。
僕はかなりポジティブな性格なので、どんなにうまくいかない時でも頑張るという気持ちだけは失ったことがありません。体は小さいですが、レベルが上がるにつれ自分より体の大きな選手ばかりになっていく中でも「絶対に負けたくない」という思いでここまでやってきました。
その過程をずっと支えてきてくれた家族や応援してくれた方々に、プロになることで恩返しをしたいと思っています。子供の頃決して野球が上手な選手では無かった自分を、ずっと応援してくれた歴代の指導者の方々にも、結果を出すことで恩返しがしたい。そのためにも、ここで必死に頑張って、来年こそドラフト指名を勝ち取りたいです。
代表・鷲崎一誠氏の想い
JAPAN WINTER LEAGUEでの出会いをきっかけに次のキャリアへと進んでいくケースも生まれている。選手の「次」へと繋げるプレーの場であると同時に、野球に関わる人間それぞれが「次の一歩」を考える場。その在り方は、リーグが単なる育成の枠ではなく野球界全体の向上を目標としていることを示している。スタートから5年。今まさに大きな広がりを見せ始めているJAPAN WINTER LEAGUEについて、株式会社ジャパンリーグ代表を務める鷲崎一誠氏に話を聞いた。


「挑戦したいと思っている人間に、きちんとチャンスを与えられる場を作りたい」
これがJAPAN WINTER LEAGUEの原点にある考え方です。
沖縄という土地に人を集め、野球を軸に人と人が交差するこのリーグは、単なる育成リーグではありません。選手だけでなく、いわゆる裏方と呼ばれる職種の方々にとっても、野球に関わるすべての人が『次の一歩』を考えられる場でありたいと思っています。
実際に、インターンとして参加したトレーナーやアナリストの中から、ここでの出会いをきっかけに契約が決まるケースも出てきました。ジャパンウィンターリーグがプレーの場であると同時に、キャリアの分岐点にもなり始めている。良い意味で想像以上の広がり方をしていると感じています。
また選手としての「次」だけではなく、トレーナー、アナリスト、アナウンサー、スポーツテック関連等4つの職種に関われる仕組みも作っています。トレーナーとアナリストについては専門学校と提携し、学生が実習として参加できる形を整えました。また、『ジャパンウィンターリーグforトレーナー』という一般応募の企画も用意しています。
野球への関わり方は本当に多様です。だからこそ、ここを職業選択の場にもしたい。ここに来て『自分は選手としてやりきった』と気付く人もいれば、トレーナーやアナリストとしての適性を見出す人もいます。野球を軸に、これからどう生きていくのか。そのヒントを得られる場所になれればと思っています。
→鷲崎一誠さんのインタビュー記事「ジャパンウィンターリーグの現在地と未来。未来への扉となる場所を目指して。」はこちら
